宅建業免許の更新手続きの際に、『宅地建物取引業経歴書』を提出します。

この宅地建物取引業経歴書には、直近5年間分の宅地建物取引の状況を記載しなければならず、特に直近1年間分の数字については、決算書の数字と突き合わせて辻褄が合っているかが審査の対象になります。この宅地建物取引業経歴書の審査は、宅建業者が業務に関する帳簿に記帳しているか否かを判断する資料になっておりますので、かなり厳密に確認されます。

まれに宅地建物取引業経歴書の取引記録が0である場合があります。このような場合は、上記の帳簿記帳義務を果たしているか否かに疑義が生じるほか、宅地建物取引法の定めにより、免許の取り消し事由となりかねません。

宅地建物取引業法第66条1項

国土交通大臣又は都道府県知事は、その免許を受けた宅地建物取引業者が次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該免許を取り消さなければならない。

六 免許を受けてから一年以内に事業を開始せず、又は引き続いて一年以上事業を休止したとき。

つまり、宅地建物取引業経歴書の最後の取引記録から1年間以上取引実績がない場合には、宅建業免許が取り消されてしまう可能性があるということになります。

実際の運用

こうした取引の実績に不備がある場合の取り扱いは、各行政庁により判断が異なるようです。

例えば、東京都の場合には、宅地建物取引の実績がなかったことの理由書や、今後不動産業の取引を行うための事業計画書の提出が必要になります。