中小企業や個人事業主の創業融資としてよく利用されるのが、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)と信用保証協会の2つの融資です。不動産業を新規開業される多くの方が、こうした融資の制度を利用されています。
こうした日本政策金融公庫と、信用保証協会の異同をみてみましょう。
日本政策金融公庫
平成20年10月1日に、それまでにあった国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫および国際協力銀行が統合され、日本政策金融公庫が発足しました。
それまでの国民生活金融公庫が行なってきた創業融資事業は、そのまま日本政策金融公庫に承継されていますから、新規開業者に対する創業融資は、引き続き日本政策金融公庫が担っています。
日本政策金融公庫の利用者の利用実態は、新規開業実態調査にまとめられています。日本政策金融公庫がまとめた2013年度の新規開業者の実態調査によれば、資金調達額は年々低下傾向にあり、2013年度の資金調達額の平均は1,337万円と、調査開始後の最低値を記録しています。
創業融資の実態 「出典:2013年度新規開業実態調査」
- 開業時の従事者数:平均3.7人
- 開業時の平均年齢:41.7歳
- 性別:男性84.9% 女性15.1%
- 平均調達額:1、337万円
- 自己資金額:327万円
信用保証協会
一方、信用保証協会は融資自体は行わず、同協会が保証人の肩代わりをすることにより、中小企業の資金調達をスムーズにすることを目的として設立された公的機関です。
実際の融資は、銀行等の金融機関が行ないますが、資金の返済が困難になった場合は、信用保証協会が肩代わりして金融機関に弁済を行ないます。
こうした、信用保証協会による保証を介した融資は、制度融資と呼ばれます。