宅建業を営むためには、新規免許を受けた後(免許通知のハガキを受けた後)、営業保証供託金を供託しなければなりません。
この供託をしなければ、宅建業の営業を開始することはできません。

ここで、供託とは金銭や有価証券を供託所に預けておくことをいい、供託者が負った債務を履行できないときは、債権者は供託された金銭から弁済をうけて債務を消滅させます。


この供託手続きは、免許を受けた日から3か月以内に完了する必要があります。期日を経過してしまうと免許は失効します。

供託額

  • 主たる事業所(本店)   1,000万円
  • 従たる事業所(支店等)   500万円

もっとも、多くの宅地建物取引業者は不動産団体の保証協会に加入し、分担金として60万円を負担することで上記の供託義務を免除されています(協会に加入するには別途入会金や年会費を納入する必要あり)が、供託には大きなメリットがあります。

供託のメリット

供託のメリットはなんと言っても営業開始のスピードです。

保証協会に加入する場合は、行政庁から免許通知のはがきが届いた後もさらに協会の審査が必要であることから、こうした協会の入会手続きに長いときは1ヶ月以上もかかる場合があります。保証協会に加入する場合には、この入会手続きが終わらなければ宅建業免許証が交付されませんので、その間宅建業に関しては営業をすることができません。

事務所の家賃や従業員の給与のこともありますので、こうした長い期間何も営業をできないのは非常に金銭的(そして精神的にも)負担がかかります。

もっとも、免許通知のはがきが届いたその当日に供託をすれば、最短でその当日に宅建業免許証を受けることができるため、スピードの点では供託の手続きが圧倒的に有利です。

また、仮に宅建業を廃業する場合であっても、供託金は全額返金されることにも注目です。一方、保証協会に加入する場合には、営業保証金部分の60万円についてはほぼ全額返金されますが、それ以外の年会費や入会金は一切返金されません。